体のこと、あれこれ

寒冷アレルギー

2020年1月28日

本来ならばどんどん寒さを増す時期だが、今年は例年に比べて非常に暖かく、こんな疾患はあまりリアリティーがないかもしれない。
しかし、実態は暖冬だから心配いらないというものでもない。
このような年にも注意をしたいものである。
寒冷アレルギーとは読んで字の如く、体温よりも低い温度のもの、冷風、氷、雨、ときにアイスクリームなどに触れることで蕁麻疹などの症状を引き起こすアレルギーの一種である。
重症例では呼吸困難に陥り、死に至ることもあるので、油断のできない疾患である。
以前、テレビで紹介されていたケースである。
Yさんは札幌在住。
幼いころから大きな病気などしたことがなく、活発な子供だったそうだ。
ある年の11月。
自転車に乗っていると手が異常にかゆくなってきた。
見ると、腕全体が真っ赤に腫れていた。
その腫れは脚にも生じ、驚いた彼女はすぐに病院へ行った。
1時間以上待たされているうちに、腫れは引いてしまっていた。
その時は医師に診てもらうことなく帰ったが、ネットで検索してみると、「寒冷アレルギー」という文字が目に止まった。
すぐに冷たい水で試してみると、濡れた部分がやはり赤く腫れた。
医師に相談してみると、やはり寒冷アレルギーだろうとのことだった。
Yさんのように、ある日突然発症するケースもある。
このアレルギーは皮膚の温度が体温より低下し、刺激を受けると、ヒスタミンという物質が放出され、血管が拡張される(発赤)。
また、血管内の血漿が皮膚内にもれ出すので、その部分が腫れてくる。
同時にヒスタミンが神経を刺激し、かゆみを引き起こすのである。
いわゆる蕁麻疹症状である。
Yさんは対処法として、医師から症状が現れた時はすぐに毛布などで体を温めるよう告げられた。
しかし、ここは北海道。
寒さとの闘いは過酷だった。
寒い日には顔全体が赤く腫れてしまうこともあったとか。
しかし、症状は冬だけにとどまらず、夏場もスーパーなど冷房の効いた場所などでは症状が出てしまうため、買い物にも上着が必需品だったという。
また、アイスが食べたくても、唇に冷たいものが触れると赤く腫れてしまうので、触れないようにして食べたという。
ちなみに、Yさんの場合は口の中は冷たいものが触れても大丈夫だったそうだが、人によっては食材に関わらず、冷たいものを摂るとお腹を壊すようなケースもあり、これも寒冷アレルギーであるとも言われている。
また、冷たい風などに当たるとたちまち鼻水、くしゃみ、頭痛などの症状が現れる場合もある。
Yさんはトイレの便座が冷たいと蕁麻疹が出るし、歯磨き、洗顔も水ではできなくなったという。
飲み会では冷たいグラスが手や唇に触れると腫れるため、ビールもストローで飲んでいたとのこと。
また、海もプールも、スキーも彼女は楽しむことができなくなったのである。
症状が出始めて2年が経過した夏のこと。
突然の雨に当たり、濡れた服が彼女の体温を奪ってしまった。
彼女は突然息ができなくなり、苦しみだしたのである。
過剰なアレルギー反応で気道が収縮したために、呼吸でしづらくなったのだ。
この時はすぐに身体を温め、体温の上昇を測ったため、幸いにも大事に至らずに済んだが、命の危険もあったのである。
とにかく冷たいものに触れないことが予防法であるが、治療法としてはヒスタミンが引き起こすアレルギー症状なので、抗ヒスタミン剤が効くそうである。
しかし、発症の引き金は基本的に自律神経の乱れが起きていると言われており、この改善が根本的に必要な治療と言える。
東洋医学的にみると、冷気に触れて症状が悪化するのは寒邪が入り込んでいる状態なので、この邪の処理が大切である。
「自律神経に乱れ」を起こしていることから、身体的には交感神経が過敏になっていることも推測されるので、それらの対処が必要ということであれば鍼灸などはまさに適切な治療手段ではないかと考えられる。
寒冷アレルギーでお悩みの方には、是非とも一度鍼灸治療をお試し頂きたいと思う。
ちなみに、女優の剛力彩芽さんも寒冷アレルギーなそうな。
風呂上がりに身体全身がかゆくなって赤くなるという。
体は温まってはいるものの、自律神経に乱れによって皮膚が「温度差」に適切に反応できないことから、冷たいものに触れた時と同じ反応が起き、発疹が出て痒くなるのである。
この季節、冷たい空気に触れて皮膚の発赤のみならず、風邪でもないのに鼻水、くしゃみなどの症状が出るようなら要注意である。
特にYさんのように、若い人は「若さ」を過信し、あまり肌を露出して冷気に当たり過ぎぬようご注意申し上げたい。

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