体のこと、あれこれ

砂療法(砂浴)

2020年3月31日

砂療法(砂浴)について初めて知ったのは、もうかれこれ20年近くも前のことだが、いつか自分で試してから書いてみたいと思いつつ、ついぞその機会がなかったので、今まで書いてこなかった。
実際、現在でもやれてはいないのだが、読んで誰かが試してみてくれたらと思い今回取り上げてみることにした。
「砂風呂」は温泉地の近くにある、暖かくてまるで温泉につかっているような状態のものだが、ここでいう「砂浴」は必ずしも暖かい砂風呂である必要はない。
首だけ出して砂の中に入っているだけでいいので、すいている砂浜であればどこでもできる。
東城百合子氏が著書「自然療法」の中で提唱しているものだが、二時間ほども埋まっていると臭いガスが体から発揮されるそうで、「毒素を出す」のがこの療法の目的だという。
自分は臭覚があまり効かず、匂いはよく分からないのだが、施術中に患者さんの身体から立ち上がるモワッとしたものにむせ返り、咳が出そうになることがよくある。
他の鍼灸師にもこのような経験はあるというから、施術によって身体が何らかの反応を起こした時、まれに体表からガスのようなものの放出が起きることがあるのかもしれない。
これ自体はそれぞれの施術者が感じる感覚の話なので、相応の実験が行われなければ実際に「何か」が放出されているのかどうか、放出されているとすればそれが「何か」はわからない。
なので、仮に我々施術者が感じている何かが現実に存在しているものとしての話だが、砂浴によって放出されるガスというのも、それと同じものなのかも知れない。
温泉地の砂風呂だと暑さでせいぜい20分程度しか入っていられないが、この砂療法では長く入っていればいるほど効果は高いという。
朝から夕方まで8時間ぐらい入っていても何の問題もないそうだ。
埋まるときの姿勢はリクライニングベッドを多少起こしたような状態で、膝も曲げられるように、おしりの部分をやや深めにしておき、長時間埋まっていてもあまり疲れない姿勢がとれるようにする。
砂は7~10cm程度かける。
顔面部分は暑くなるので、パラソルで日除けし、なおかつ帽子なども着用したほうがいいかも知れない。
肌が直接砂に触れるように、なるべく露出の多い水着が良いそうで、男性であれば褌などが推奨されている。
初めての方はあちこちが痒くなり、苦しくなってくるという。
これは毒素の排出する気口がまだ上手く開かれていないことによるもので、ついつい手足をもぞもぞ動かしたくなるという。
実は治療中にも患者さんがもぞもぞ動いてしまうという反応を見せることがある。
自分自身も自己治療をしている時などにも経験する。
身体の中で何かが動くとき、つい身体が反応するのだろう(自分は気の流れが良くなった時と考えているが、邪気が抜けた時なのかもしれない)。
そういった反応が起きると、かけた砂が乱れてしまうが、その場に介助者がいれば改めて砂をかけてもらえるし、日除けのパラソルの位置の調整や水分補給の手伝いもしてもらえる。
何より一人でそんなことをしている姿はちょっと恥ずかしいかもしれない(笑)。
できれば介助者と一緒のやったほうがいいだろう。
健康な人ほど毒素は抜けやすく、快適に砂に入っていられるが、病人ほど最初毒素が抜けづらいとのこと。
砂から出るとスポーツ後のような爽快感が得られたり、眠くなったりする一方で、胃腸が弱い・便秘がちとかの問題を抱えている人には一時的に頭痛や吐き気などの好転反応が現れることもあるという。
疲れるので、病気が重い人は体調に合わせて時間を調整するといいようだ。
その代わり回数を重ねれば重ねるほどいいのだとか。
そのほかの注意としては一度入った砂場所は毒素で汚れているので、2M以上離れた場所で入るといいという。
同様の理由で、自宅の庭などに砂を運び込んでやる場合は、いちいち砂を洗って天日干しにするなどの処理が必要なのだそうで、やはりやるなら砂のある川べりか砂浜の方が簡易であるとして推奨されている。
水分は忘れずにこまめに補給すべし。
昔、ふぐの毒に当たったら、それこそ土の体を埋めて首だけ出しておくと毒が抜けると言われていたとか。
その根拠として現代では土に埋めることで体を動かないようにしたとか、体を冷やしていたとか色々と理由付けされている。
しかし、それぞれがフグ毒に対しては医学的根拠が全くないことから、「フグ毒にあたったら土に埋めると毒が抜ける」は全くの迷信あつかいになっている。
まあ、フグの食中毒死はほとんど24時間以内だというから、その毒のめぐる速度は速い。
仮に砂浴によって「毒素が抜ける」としても、そんな悠長なことで果たして本当に救えるのかどうか疑問である。
また、現在の日本ではまずフグ中毒を起こすことがほぼ皆無に近いし、仮にあったとしても実験的にやれることでもない。
これはやはり「迷信である」としておくべきだろう。
東城百合子氏の砂療法の記載には「毒素の排出」という民間療法でよく出てくるワードが使われ、それが胡散臭さを感じさせてしまう。
しかし、個人的には上述のように治療をしている際の患者さんの反応や、施術者が受ける反応ととても酷似した現象が起きることに非常に興味を感じる。
最近は素足で直接大地と触れ合うことに注目した「裸足で歩く健康法」などを提唱するサイトも多く、そこでは単にリラックス効果を謳うだけでなく、大地の気との交流を意識した効果がうたわれている。
密度の高い土よりも密度の粗い砂の方がより大地の気が流れやすいのだとしたら、わずか何時間かの間にそうした影響を身体に与えることもありうるのかも知れない。
ん~これはやはり経験するしか説得力のある話はできない。
どなたか興味のある方は一緒にやってみませんか(笑)?

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