体のこと、あれこれ

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  • 2020年2月13日

    オゾンと聞くと地球を紫外線から守る「オゾン層」が思い浮かぶが、最近ではオゾン水を使った殺菌などが話題となっている。
    今回はそんなオゾンの医学的な利用について見てみたい。
    一般的に「オゾン療法」とはヨーロッパで行われているオゾンガスを利用した様々な治療法の総称を指すのだそうだ。
    中でも「血液クレンジング療法」は英国エリザベス女王の母、クィーンマムが週2回これを行うことで大きな病気をすることもなく、101歳まで長生きしたとして有名になった療法なのだという。
    具体的には100~200ccの血液を抜き、その血液にオゾンガスを混合し、再び体内に戻す治療である。
    時間にして30~40分ぐらいのものらしい。
    これは日本では「大量自家血療法」とも呼ばれ、「少量自家血療法」の場合は3~5ccの血液にオゾンガスを混合し、筋肉注射で体の各所に打つ治療法もあるそうだ。
    ヨーロッパでは肝炎やHIVウイルスの増殖を防ぐ方法としても用いられ、狭心症や心筋梗塞などの虚血性疾患に対しては保険適用もされているとのこと。
    また、投与する量によっては免疫調整作用もあるため、老人性網膜変性疾患やアトピー性皮膚炎などのアレルギー・自己免疫疾患、およびガンの補完療法として外科手術後にも用いられているという。
    ガンの補完療法では週2回、5週間を1クールとして年に1・2回くりかえすとのこと。
    また歯科領域では自家血療法ではないが、オゾンガスの直接的な殺菌作用を用いているようで、医科でのオゾン療法は広く行われているようである。
    あるサイトでは以下の疾患がオゾン療法適用疾患に挙げられていた。
    〇 ガン、悪性リンパ腫
    〇 自己免疫疾患(慢性関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病、アトピー性皮膚炎、エリテマトーデス)
    〇 線維筋痛症
    〇 ウィルス性疾患(B型・C型肝炎、HIV、パピローマウィルス、帯状疱疹)
    〇 慢性腎不全
    〇 慢性疲労症候群
    〇 脳神経退行性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、痴呆)
    〇 呼吸疾患(肺気腫、COPD)
    〇 真菌感染症
    〇 眼科疾患(白内障、緑内障、加齢性黄斑変性症)
    〇 動脈閉塞性疾患(心筋梗塞、脳梗塞)
    〇 下肢動脈瘤
    〇 糖尿病(糖尿病性末梢神経障害、糖尿病性壊疽)
    〇 抗酸化能力の向上・血液循環の改善による病気の予防、アンチエイジング効果
    〇 肩こり・冷え性・花粉症等
    ん~これだけ多くの疾患に使用されているということはその効果は本当に高いものがあるのだろう。
    しかし、残念ながら、日本では保険適用とはなっていない。
    バセドウ病やG6PD欠損症という特殊な血液の病気の方、妊娠中の方などは対象外となるらしいのだが、基本的に副作用もなく、薬剤を必要としない治療法でもあるので、製薬会社の力が強い日本での認可は難しいのかもしれない。
    医療予算を削るぐらいなら、安価で、安全で、効果の高いこうした療法を認可すべきではないだろうか。
    それが真の国民のための医療政策というものだろう。
    ちなみに、東京のある病院では一回21600円の料金となっていた。
    やはり保険適応なしでは一般人には厳しい。
    オゾン療法には血液クレンジング療法の他に腸内オゾン療法、整形オゾン療法、オゾンワクチンなるものもある。
    腸内オゾン療法は自己浣腸により直腸膨大部を空にした後、オゾンガスを注入するという。
    オゾンが腸粘膜に直接触れ、殺菌作用によって悪玉菌を減少させ、循環の改善を図り、免疫の改善・組織修復力の向上につながるという。
    注入後10分ぐらいでお腹が暖かくなり、体全体に広がっていくのだそうだ。
    この感覚は血液クレンジング療法でもあるそうで、なんとも気持ちよさそうである。
    こちらの対象疾患としては肛門亀裂、痔瘻、潰瘍性大腸炎、クローン病、慢性疲労、うつ病などが挙げられていた。
    腸内環境の改善がうつ病にも効果的と言われているので対象となっているのだろう。
    やはりこちらも別の病院ではあるが1回19000円の料金設定となっていた。
    う~ん。
    整形オゾン療法では抗炎症効果や鎮痛効果、組織再生効果があり、5~10mlのオゾンガスの直接注入を行うとのこと。
    四十肩や膝関節症など各種運動器疾患に効くようである。
    こちらは1回14000円である。
    オゾンワクチンとはワクチンというだけに感染症やがんに対する治療法となっている。
    5ccほどの血液を採血し、そこへオゾンガスを混合し、筋注を行うという方法である。
    上述の少量自家血療法と呼ばれるものだろう。
    対象疾患はヘルペスⅠ型・Ⅱ型、急性帯状疱疹、ヘルペス後神経痛、子宮頸部のHPV感染、各種のガンとなっている。
    週に1回、10回を1クールとするらしい。
    ガンへの効果がどれほどのものかはよく分からない。
    この病院では補完療法ではなく、直接的な治療法としているようなので、もしこの治療法を選択しようとするならば、しっかりとした確認を行うことが必要かも知れない。
    料金は1回3000円、1クールで27000円。
    治療に何クール必要となるかはわからない。
    他にも医科で行われるオゾン療法としてはやけど、皮膚の感染症、褥瘡治療などにオゾン水が使われたり、オゾンガスをオリーブ油に固定したオゾン化オリーブ油を塗布することでアトピー性皮膚炎や水虫治療にも使われるとのこと。
    また、潰瘍などにはガラス瓶をかぶせてそこにガスを入れる方法などもあるという。
    ヨーロッパでは50年以上もの歴史があるといオゾン療法。
    そういえば、鍼灸についても安価で高い効果が期待できるとヨーロッパでも注目を集め始めていると聞く。
    いかにも極めて合理的な考え方をする欧米人らしい。
    いくら現場が認めても、製薬会社とのしがらみの中でおいそれとは認めない日本。
    こんなところにも社会の構図が見えるようである。
  • 2020年2月6日

    本疾患は単純に言ってしまうと、糖や脂質の代謝異常である。
    大きな特徴としては、外見上の脂肪の分布異常が起きること。
    つまり、体のあちこちの脂肪のつき方に偏りがみられるようになるのである。
    具体的には、リポジストロフィーにはいくつかのタイプがあり、タイプによって脂肪の偏り方も変わってくるようだが、基本的には顔や手足の脂肪が削ぎ落ちる一方で、お腹周りに内臓脂肪がつくというタイプが最も多いらしい。
    顔はげっそり、手足は今にも折れそうなのに、腹回りだけがしっかり肉がつくといった体形になる。
    そのため、モデルとかは顔つきが変わるなど仕事に差し支えが出るとか、女性は猛暑でも長袖、長いパンツでやせ細った手足を隠すなど外見上の変化が非常に問題となるようである。
    タイプ別リポジストロフィー
    ①先天性全身型リポジストロフィー
    遺伝子異常により発症。
    出生時から全身の脂肪が欠損しているため、筋肉が明瞭となる。
    脂質異常とともに、高インスリン血漿、臓器肥大、糖尿病など合併するという。
    ②後天性全身型リポジストロフィー
    女児に多く、皮膚筋炎や麻疹、百日咳などのウイルス性疾患や、甲状腺疾患、妊娠を契機に続発して生じることがあるという。
    多くは数か月から数年をかけて徐々に脂肪が消失するが、ときに数週間で消失するという急激な変化を起こすこともあるとのこと。
    食欲亢進(何をどれだけ食べても痩せていく)や糖尿病を合併する。
    他にも全身型の症状としては皮膚の突っ張り、色素沈着、多毛症などがみられる。
    機能的な問題としてはリンパ節腫大、臓器の腫大、先端巨大症を思わせるような筋肉の肥大と大きな手・足などが特徴として挙げられている。
    知能障害も半数に認められるという。
    ③後天性部分型リポジストロフィー
    本タイプが最も多く、特に女性に多い。
    多様な外的刺激、あるいは脂肪織炎の後に局所的に脂肪組織の変化が生じる。
    原因は不明だが、インスリン、ステロイド、鉄剤、ワクチンなどの注射部位に脂肪萎縮をきたすこともあるとのこと。
    近年では抗HIV薬によって生じる脂肪萎縮・増加のHIV関連のリポジストロフィーも増えているという。
    ④遠心性リポジストロフィー
    小児の鼠径部あるいは腋窩(わきの下)で片側だけにみられる限局性の脂肪萎縮症である。
    これも原因不明だが、家族性にみられることもあるため、遺伝子の関与も考えられている。
    本疾患の場合はほとんどがアジア人の女児にみられる。
    痛みのない紅斑から境界の明白な陥凹となり、その陥凹は遠心性に、つまり抹消部に向けて拡大していく。
    陥凹はすなわち脂肪の欠損であり、そのため徐々に下の血管が透けて見えるようになる。
    陥凹の拡大は7年以内に停止するそうで、症例の2/3で症状の治癒、緩解がみられるというので、外見上の特異性のわりに予後としては比較的良いようである。
    上記の合併症で挙げられる糖尿病は「インスリン抵抗性糖尿病」と呼ばれるものである。
    これはインスリンが効きにくい糖尿病であり、その治療には多量のインスリンが必要になるという。
    全体的な予後としては代謝障害や臓器障害の程度に左右される。
    全身型の場合は肝不全、腎不全、再発する膵炎などにより、早期に死亡する症例もあるとのこと。
    なので、単に「脂肪のつき方に異常が生じる」という見た目の問題だけでなく、決して油断の許されない疾患である。
    治療法としては、高脂血症には脂肪制限食が一般的に行われるとのこと。
    また、糖尿病に関しては身体がインスリンに対して抵抗性を持つため、多量のインスリンが投与されるという。
    対症療法的にはいろいろあるようだが、こんちはなかなか難しいようである。
    東洋医学的には肌肉の変動が主症状でもあり、脾病として捉えることが肝要かと思われる。
    それにしても後天性で発症する起点が、ウイルス性疾患や甲状腺疾患、妊娠、多様な外的刺激、脂肪織炎、インスリン・ステロイド等の注射など、どれもが身近に経験しうることからという点が何とも言えない。
    ある時、たまたま経験したことをきっかけに、体形が変わっていくというのはなかなか恐ろしいものである。
    ましてや単に体形が変わるだけでなく、場合によっては臓器不全を起こし命の危険すら生じてしまうのだ。
    自分の身体に起きる変化に戸惑うばかりでなく、覚悟が迫られる疾患であるとも言える。
    重篤な病を経験せずに生涯を全うすることができるのは希なことでもあり、幸せなことであることを改めて認識させられる。

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